数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談

~通常なら数㎝の腫瘍は、なんと大人の頭サイズだった!~

手術から3ヶ月が経過 検査のため久々にB大学病院へ

手術から3ヶ月。仕事も休職前の感覚を取り戻し、傷口の痛みも消え、すっかり以前の日常に戻りました。しかし、忘れた頃に手術後の定期検査がやってくるのが褐色細胞腫です。

CTは造影剤なしで行うようになった

手術から3ヶ月、前回の診察からは2ヶ月。定期検査の日です。このブログで何度も書いており、くどいですが、褐色細胞腫は切除しても再発することがあるので、手術後も定期的に検査します。

久しぶりのB大学病院でしたが、機械での再診受付や検査受付のやり方などもまったく忘れておらず、身体が自然に動きました。

この日は採血と検尿に加え、CTも予約に入っています。褐色細胞腫の再発がないかどうかを画像診断するためです。手術前に決死の(?)造影剤CTを撮った時、手術後に肝臓の状態を確かめるために撮った時。それに続くB大学病院でのCTです。

これまでのCTでは造影剤を使って撮影しましたが、今後は造影剤なしで行います。もし褐色細胞腫が再発していた場合、造影剤を使うと、褐色細胞腫を刺激して血圧が急上昇する危険があるからです。

手術前は、この「褐色細胞腫に造影剤は禁忌」という原則を破って検査していました。デメリットよりもメリットが上回るとの判断です。しかし今後は、基本に立ち返って造影剤なしのCTです。造影剤を一生使えない身体になりました(笑)

この日は検査を受けただけで帰りました。すぐに結果は出ないので、来週また受診し、先生から検査結果の説明を受けます。

検査結果は異常なし 正常値をキープ

翌週。検査結果を聞きに、またB大学病院へ。今日は前の患者の受診が長引いているらしく、予約時刻より1時間遅れて呼ばれました。

主治医のS先生とお会いするのも2ヶ月ぶり。あまり久しぶりという感じはしませんでしたが。

そして、検査結果はまったく問題なし。CT画像で異常は見られません。血液検査・検尿の結果が書かれた紙を渡され、先生が内容を説明してくれます。

検査結果で重要なのが、メタネフリンノルメタネフリンという項目です。褐色細胞腫が体内にあると、この項目の数値が異常に高くなります。この二つの値は、手術後に正常値まで下がったことを確認できていましたが、手術から3ヶ月経った現在でも正常値をキープしているかを調べたわけです。

数値ですが、手術前を100とすると、現在は1以下の正常値に。バッチリの結果です。

検査結果の数字は「実測値」ではなく「推測値」

ちなみに、今回の検査での数値は「実測値」ではなく「補正がかかった推測値」です

入院中に、24時間分のオシッコを溜める畜尿という検査を何回かやりました。これは、尿の中に含まれる成分を調べる検査です。「24時間分の尿の全量」を対象に成分量を調べる、つまり実測値が出ます。

しかし、この24時間畜尿は大変な手間なので、今回やったのはコップ一杯の検尿。これに「クレアチニン補正」というものを行い、補正がかかった推測値を出します。

実測値に比べると誤差が内在しますが、多少のズレは問題ありません。実測値は1なのに補正推測値では10という「桁違い」が発生するようでは困りますが、実測値1のところ補正推測値2くらいなら、許容範囲の誤差です。大局を見ることが大事なので。

体感として異常がないのは自分でよくわかった

とまあ、細かいことを書きましたが、数字よりも重要なのは、私自身が身体に変調を感じていないかどうかです。

手術後は以前のように動悸や頭痛で苦しくなることは一度もなく、褐色細胞腫を切った効果がテキメンに出ていました。数値うんぬんではなく体感として異常がないことは、私自身が一番よくわかっていました。

「次回は、また3ヶ月後にしましょう。採血と検尿だけでいいです。あ、でももし身体が苦しくなることがあったら、予約まで待たずにすぐ受診してくださいね」

その場で、また3ヶ月後の予約日時を決め、今回のB大学病院の受診は終了したのでした。

→次の話 手術後7ヶ月の検査 いつもとは違う部屋に案内され…