数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談

~通常なら数㎝の腫瘍は、なんと大人の頭サイズだった!~

私が体験した「褐色細胞腫」は非常に珍しい病気

はじめまして、Rob-Royと申します。このたび、ブログを始めることにしました。このブログでは、私が経験した「褐色細胞腫」という稀な病気のことを書いていきます。

褐色細胞腫という病気、どのくらい稀かというと、日本全体で3,000人ほどしかいないと推計されているようです。数万人に一人の割合です。実際には病気が発見されないまま過ごしている人も多いでしょうから、病気が発見されて治療を行ういわゆる症例数は年間3ケタ程度のようです。非常に珍しい体験でしたので、情報発信する価値があるかなと思い、このブログを書くことにしました。

「褐色細胞腫」ってなに? どういう症状が出る?

褐色細胞腫という病名、初めて聞いた人がほとんどだと思います。どんな病気かというと、早い話が「腫瘍」です。副腎という臓器に発生するのが一般的だそうです。

この褐色細胞腫という腫瘍の特徴は、何か刺激が加わると、カテコラミンというホルモンを大量に分泌すること。

カテコラミンというホルモンは聞き慣れないでしょうが、簡単に言えばアドレナリンの仲間だそうです。

アドレナリンというと「興奮したときに出る」的なイメージがありますが、その通りで、ようは身体を戦闘態勢に持っていき、血圧を上げるなどの作用があります。難しい言い方をすると、交感神経に働くホルモンです。

カテコラミン自体は悪者ではなく、身体の調整に必要なホルモンです。しかし、褐色細胞腫では、このカテコラミンが大量に放出されて身体が「過剰な戦闘態勢」になります。具体的には以下のような症状が出ます。

  • 高血圧
  • 頭痛
  • 動悸
  • 吐き気
  • 多量の発汗
  • 立ちくらみ
  • 糖尿病

私の褐色細胞腫は超巨大サイズだった

先ほども書きましたが、褐色細胞腫は何か刺激が加わったときにカテコラミンを大量放出し、身体の変調をもたらします。言い換えると、腫瘍への刺激がなければ重篤な症状が出にくい。ですので、常時身体がだるいとか痛いとか、そういう類の病気ではありません。

実際、私のケースも腫瘍が超巨大サイズになるまで発見されませんでした。一般的に褐色細胞腫は6~7㎝ほどらしいですが、私のものはなんと直径18㎝! 大人の頭くらいの大きさだそうです。よくそんなモンがお腹の中に収まってました。

おそらく、10年くらいは体内でスクスク育っていた(?)のではないでしょうか。

手術で腫瘍そのものを摘出するのが最善

この褐色細胞腫ですが、治療のアプローチは二つです。

  1. 腫瘍そのものを摘出する
  2. 過剰放出されるカテコラミンの作用を抑える

「臭いは元から絶て」ということで、手術で腫瘍を摘出してしまうのが最善。私も、手術で腫瘍を取っ払いました。普通は数㎝程度の腫瘍ですから、腹腔鏡で手術するのが一般的。ただし、私の場合は超巨大サイズだったことから、開腹+開胸で対応しました。

そして、諸々の都合で手術が難しいケースもありえます。その場合は、カテコラミンの過剰放出によって現れる症状に対処します。たとえば、高血圧の症状が出るなら降圧薬の服用、という具合です。

以上が褐色細胞腫という病気の概要です。私の体験談をつづっていきますが、何かのお役に立てば幸いです。

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