【手術翌々日】早くも自力歩行開始 痛み止めもストップ
前回までのあらすじ
褐色細胞腫を取り出した手術翌日。特に問題なく、午後にはICUから一般病棟に移動するなど経過は良好。唯一のトラブルは、熱が39℃まで上がったくらい。
まだ術後40時間ほどだが自力歩行の指示が出た
手術翌々日の朝です。昨晩の検温では39℃でしたが、今朝は平熱に戻りました。身体も苦しくありません。朝の巡回で、執刀医のK先生と、主治医のS先生がやってきました。
「ちょっと身体を起こしてみて」
まだお腹を切って二日なので、当然ですが腹筋を使って身体を起こすことはできません。ベッドの柵をつかみ、両腕の力でなんとか上半身を持ち上げました。お腹の傷は、ジッとしている分には大丈夫ですが、こうして身体を動かすとけっこう痛いです。
「うん、順調だね。そろそろ動こうか」
どういう意味かというと、自力で歩いてトイレに行けということです。手術直後は身体が動かせず、自分でトイレに行けないので、排尿のためのドレーンが導入されており、さらにオムツを履いています。ドレーンを通して常時少しずつ尿が排出され、ここまで全く尿意を感じませんでしたが、それも終わりです。
まだ私が若い(35歳)ということもあるのでしょうが、手術が終わってから40時間ほどで自力歩行の指示がされるとは正直思っていませんでした。なお、あとで元看護師の母親に聞いてみたら、「今は早期離床だからね。手術終わったら、けっこう早く歩かされるのよ」とのことでした。
男の急所から排尿用ドレーンを抜く 超痛かった
11時、看護師がやってきました。排尿用ドレーンは、つまり男の急所に入れられているわけですが、それを引っこ抜くのです。いやー、これは痛いだろうなぁ…。オムツをべりべりして下半身丸出しに。
「はーい、じゃ抜きますよ。3、2、1…」
痛ってえええええええ!!!
はい、これは超痛かったです。ただ、排尿用ドレーンを差し込まれているのが一番嫌な状態だったので、それが外されて相当スッキリしました。
これでオムツとはさようなら。パンツに履き替えます。また、実はここまで手術着を着ていましたが、それも一般の入院着に交換。こうして手術後モードが一気に終わり、普通モードに戻っていく雰囲気になりました。
「いま背中から痛み止めを入れてますけど、12時で切りますので」
現在は、手元のボタンを押せば自分で痛み止めを追加投与できるようになっています。それもいよいよ終わりです。もっとも、さほど痛みは感じなかったので、結果的にほとんど使いませんでしたが。快眠できるよう、寝る直前に使ったくらいです。
室内を歩いてみる そして痛み止めストップ
排尿用ドレーンが抜かれて身体がだいぶ自由になったので、ベッドから起き上がって室内を歩いてみることにしました。点滴スタンドにはキャスターがついており、杖代わりにして一緒に移動できます。靴を履き、点滴スタンドを握りながら立ち上がり、ベッドから離れます。
もちろん、背筋を伸ばしてスタスタと歩くことなどできず、身体をかがめながらゆっくりの歩行ですが、ちゃんと歩けました。術後48時間経過していないのに意外と歩けるもんだな、と感じました。
自分で言うのもなんですが、まだ30代と若いおかげで回復が早いのだと思います。あと手術が10年遅ければ、こんなにすぐ歩けるようにはならなかったと思います。
12時。昼食が配膳される前に、痛み止めが切られます。投与終了の直前に、手元のボタンを押して「最後の痛み止め」を使っておきます。痛み止めの錠剤(ロキソニン?)を渡され、痛みが強くなったら飲むように言われました。
痛み止めが切れて数時間 だんだん痛くなってくる
13時半、オシッコに行きたくなりました。点滴スタンドをガラガラと引きながら、病室を出て廊下を歩き、トイレに向かいます。
さきほど室内でちょっと歩いたのとは違い、今度はある程度距離があるので、やっぱり苦しいです。ヒィヒィ言いながらトイレに到着。もちろん、立って放尿はできないので、洋式便座に座ります。久々にトイレでちー。何も問題なくできました。
どんどん自力歩行しないと、回復が遅くなります。トレーニングだと思い、わざと遠回りして病室に戻りました。14時半くらいにも病棟を一回り。もちろんまだ身体は重いですが、こうして歩くことで、一気に身体が正常化していくような感覚がしました。痛み止めは打ち切られましたが、痛みもさほど気になりません。
ところが、16時くらいから痛みがだんだん強くなります。たまらず貰った痛み止めの錠剤を飲みましたが、あまり効いている感じがしない…
基本的に、術後の痛みを我慢するのはよくありません。血圧が上がって身体に負担がかかるからです。といっても、痛すぎて脂汗が出るようなレベルではなかったので、これくらいなら正常の範囲内と思って耐えるしかないでしょう。痛み止めの偉大さを実感しました(笑)
排尿用ドレーンが抜かれて身体が一気に自由になったにもかかわらず、この日の夜は、なかなか眠れませんでした。