数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談

~通常なら数㎝の腫瘍は、なんと大人の頭サイズだった!~

B大学病院での入院生活 一日の流れを紹介

前回のあらすじ
A病院を退院し、褐色細胞腫に対応できるB大学病院の外来受診へ。ところが、その場で再度の入院が決定し、またしても入院生活が始まるのであった。

褐色細胞腫の私だが入院病棟は糖尿病内科

入院が決定した私は、外来病棟から入院病棟へ移動します。大学病院の規模ともなると、入院病棟は何階もあり、科ごとに階(フロア)が分かれていました

私の病室は糖尿病内科の階でした。疾患は褐色細胞腫ですが、同時に糖尿の気もあった(これも褐色細胞腫が原因で引き起こされたと推測)ので、この階でもいいということでしょう。

私が病室に入ったのは、ちょうど12時くらい。今日の昼食は受付が終わっているので、妻がコンビニで昼食を買ってきてくれました。しばらくはまた病院食続きなので、病院食では出てこないであろうラーメン系を買ってきてくれるよう頼みました。

妻が買ってきたのは、まぜそば。ふたを開けると、病室いっぱいに香ばしい匂いが広がりました。同室の人には迷惑だったと思います(笑) 次にこういうものが食べられるのはいつだろう。手術の日は全然決まっていないけど、それが終わって退院するまでは食べられないかも。そんな名残惜しさを感じながら、ゆっくり味わいました。

B大学病院での一日(午前中)

こうして、B大学病院での入院生活が始まりました。一日の流れを簡単に書いてみます。

早ければ6時すぎ、遅くても7時半までには、看護師さんが朝の巡回に来ます。体温・血圧・酸素飽和度(サチュレーション)の三点セットが計測されます。私の場合は見事なほどに正常値ばかりで、コイツなんでこれで入院してるんだ? と思われたかもしれません(笑)

それから、体重も毎朝測るように言われました。ナースステーションの前に体重計があるので、巡回が来る前に自分で行って測り、それを巡回に来た看護師さんに伝えます。もっとも、体重計はキャスター付きで移動が可能なタイプで、看護師さんの朝巡回のお供で出払っていることがありました。ナースステーションに行っても体重計がなく、「あれっ、どこ行った?」となることも。

8時になると朝食です。メニュー構成は決まっていて、パン+牛乳+野菜(茹でorサラダ)。これにウインナーやハムがついたりつかなかったり。食べ終えると、共用の洗面所に行って歯みがきや洗顔をします。

食事を下げに来るのは1時間後の9時です。私は自力で食事がとれますし、別に体調も悪くなかったのでサッサと食べ終えてしまいます。が、同室の患者さんの中には自力で食事をとるのが大変で、介助を受けている人もいました。

9時前になると、日勤担当の看護師さんが交代の挨拶に来ます。「今日のお昼(から夕方まで)を担当する○○です」という感じ。この時に「今日はシャワーを使いますか?」と聞かれるので、必要なら申し込みます。私のような入浴介助のいらない“軽症”の入院患者は、だいたい午前中の早い時間帯でした。

10~11時のあたりで、清掃の人が回って来ます。クイックルワイパー的なやつで床を拭き、ゴミ箱の中のゴミや、空になったペットボトルを回収してくれます。

やはり10~11時くらいに、「シャワーの順番が来ましたよ」と看護師さんが呼びに来ます。私は「病院内なら自由に出歩いてよい」と言われていましたが、呼ばれた時に不在ではまずいので、シャワーの順番が来るまではベッドに必ずいるようにしていました。

シャワーの時間は一人20分。防水仕様の腕時計を渡されます。腕時計にはナースコールのボタンもついており、何かあったら押すように言われました。そして驚いたのが、シャワー室の広さ。たぶん15畳以上はあったと思います。入浴介助が必要な人もいますから、広くしてあるのでしょう。

B大学病院での一日(午後)

12時になると昼食タイム。昼と夜は基本的に米飯(ごはん)です。下膳はやはり1時間後の13時。

その後は、看護師さんが午後の巡回に来ます。これは時間に多少バラつきがありましたが、14時台に来ることが多かったです。やはり体温・血圧・酸素飽和度をチェック。どうしても眠くなる時間帯で、巡回を待っているうちに昼寝に落ちることがしばしば。

私の場合は毎日ではなかったですが、担当の先生が回ってくることもありました。糖尿病内科(糖内)の先生です。これは定時ではなく、14時のこともあれば17時ということもありました。身体の調子を聞かれたり、今日のカンファレンスの内容を説明してもらったり、という具合です。

昼食が終わって夕食までずっとベッドにいるのは退屈なので、看護師さんの昼巡回が終わったら、気分転換にコンビニへ買い物に行くのが日課になりました。食事に関する制限は特に何も言われていませんでしたが、いちおう糖尿病内科に入院している手前、あまりおやつを食べるのもまずいかなと思い、野菜ジュース一本程度の買い物でとどめていました。

18時前くらいのタイミングで、夜勤担当の看護師さんが交代の挨拶に来ます。そして18時から夕食。20~21時くらいに、夜の巡回で体温・血圧・酸素飽和度を計測。22時が消灯です。

いやー、病院だから当たり前ですが、規則正しい生活ですね。私は夜勤を含む変則勤務をしていますが、入院中は身体が非常に楽でした。

病院併設のコンビニについて語る

先ほどコンビニへ買い物に行く話が出たので、もう少し詳しく。今のご時世、大きな病院だとコンビニ併設が普通かと思います。前のA病院もそうでした。

病院内のコンビニだから当然ですが、市中のコンビニとは品揃えがだいぶ違います。たとえばイヤホン。大部屋でテレビを視る時は、音を漏らさないようにイヤホン着用が必須です(個室はイヤホンなしでもよい)。レジ前の一角には、イヤホンが大量に置かれたイヤホンコーナーが存在。

スマホの充電器も、市中のコンビニに比べると手厚い印象です。入院時の持ち物として、充電器は意外と忘れがちのようですし、緊急入院となれば用意が難しいものです。

シャツ・パンツ・靴下といった衣類関係も充実。他にも、耳かきに爪切り、孫の手など身の回りのケアに必要な物も。

食べ物関係は、市中のコンビニと特に変わらない感じでした。病院だからといって身体に優しそうな食べ物ばかりではなく、ジャンキーな物も普通に売っています。患者だけではなく、病院スタッフも利用しますからね。あ、当然ですが、酒の類はいっさい置かれていません。

あとは本。市中のコンビニだと、置かれている本は大半が漫画ですが、病院のコンビニは小説が充実しています。私は「メシ系の小説」を何冊か買いました。病院食はじゅうぶん美味しいのですが、やはり物足りなさがあります。そうなると、美味しそうなメシ系小説をついつい手に取ってしまうわけで…(笑)

→次の話 ついに手術予定日が決定! 褐色細胞腫の手術に必要な準備とは?