数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談

~通常なら数㎝の腫瘍は、なんと大人の頭サイズだった!~

【A病院・入院1日目】救急外来から緊急入院へ

前回のあらすじ
一日中、動悸や吐き気がヤバく、夜になってA病院の救急外来を受診。CTの結果、肝臓付近に15㎝ほどの影が見つかった。日付が変わって午前1時くらいに入院決定。なんと1ヶ月くらいは入院が必要とのこと。

心臓と腎臓の数値が悪い 検査も満足に行えない状況

そんなこんなで予期せず始まった入院生活1日目でしたが、やったのは採血やレントゲンくらいだった気がします。

採血の結果、心臓と腎臓の数値が悪かったです。

まず心臓ですが、高感度トロポニンという項目の値が高い。これは心臓にダメージがあったときに出る物質だそうで、基準値は26以下のところ、なんと1400!

さらに、やはり心臓関係のBNPという項目も異常。基準値18.4以下のところが400超え。「心臓にトラブルがあったのは間違いないですね」と説明されました。

そして、腎臓関係の数値も軒並み悪かったです。

本当は造影剤を注入して詳しく検査をしたかったようですが、腎臓の機能が低下しているため、できませんでした。というのも、身体に入れた造影剤は最後はオシッコで排出しなければいけませんが、オシッコを作る腎臓の機能が低下していると、造影剤が排出できません。造影剤がダメということで、検査も満足に行えない状況です。

そのため、この日はベッドで大人しくしていました。頭痛や動悸、吐き気はすっかり消えていましたし、血圧や脈も正常。先生や看護師とのやり取りもキチンと行えたので、とりあえず緊急性はないと判断されたのでしょうか。

HCU病棟での一日

午前中、看護師さんが「清拭」つまり身体拭きをしてくれました。お風呂には入れないので、これで身体を清潔に保つのです。

はぁ~超気持ちいい。前日は一日中体調不良で苦しんで脂汗とかをかいていたので、ちょっと肌がベタベタでした。それを拭いてもらってサッパリ。ちなみに、清拭は蒸しタオルを使うのかと思っていましたが…違うんですね。温かい紙おしぼり(ビニールをペリッと破って取り出す使い捨て式)なのか。

これは次の病院で見たのですが、紙おしぼりはナースステーションの冷蔵庫ならぬ温蔵庫の中に大量保管されており、使う時に必要本数を持っていくのです。

お昼過ぎ、病院スタッフ経由で、妻が荷物を届けてくれました。下着の替えと、退屈しのぎのための本です。

HCU病棟は携帯電話使用禁止でネットはできませんし、テレビ番組もつまらないものばっか。他にやることもありませんから、ずっと本を読んでいました。1ヶ月の入院とはエラいことになったけど、本を集中して読める良い機会かもしれない。前向きに捉える気持ちが生まれ始めていました。

なお、入院生活1日目となるこの日は食事三食抜き。先生から許可が出なかったためです。気持ち悪くて一日中へばっていた前日も何も食べていませんから、合わせて丸2日間は絶食状態だったことになります。体調が落ち着いたので、お腹の虫がグーグー。この日は空腹と闘う一日でした。

22時、消灯の時刻です。私は、泊まり勤務を含む変則的な働き方をしていることもあり、“健康的な時刻”に寝たり起きたりが難しい。それが入院生活中は、6~7時起き→22時就寝という真っ当な生活(笑)を送ることができ、身体は楽でした。

→次の話 【A病院・入院2日目】いろいろな検査を行う そして久々の食事