数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談

~通常なら数㎝の腫瘍は、なんと大人の頭サイズだった!~

【A病院・入院2日目】いろいろな検査を行う そして久々の食事

前回のあらすじ
救急外来を受診したところ、肝臓が膿んでいる「肝膿瘍」の可能性があると言われ、A病院のHCU病棟に緊急入院。しかし腎臓の数値が悪いため、検査をロクに行えずに入院1日目が終了。さて、入院2日目は…

腎臓の数値が回復! 造影剤の使用が可能に

入院1日目の採血では、腎臓の数値が非常に悪かったわけですが、入院2日目となる本日早朝の採血では、腎臓の数値はほぼ正常に戻りました。脱水症状などによる一時的な悪化でしょう、と説明されました。

前回の記事でも書きましたが、腎臓の数値が悪いと造影剤を使った検査ができません。しかし、この日は腎臓の機能が回復したため、検査を行うことができました。

午前中に、造影剤を使った腹部エコー。私は造影剤を身体に入れるのは初めてですが、まれにアレルギー反応などが起きることがあるそうです。そのあたりは検査前にしっかり説明され、「造影剤使用の同意書」にサインをしました。

点滴の管から造影剤が入ってきます。「造影剤が入ると身体がカァーッと熱くなるかも」と聞かされていましたが、特に何も感じませんでした。先生が二人ついています。うち一人は、救急外来で私を診てくれた先生でした。

「これは○○かな…」
「いや、それだと…」
「うーん…でもなぁ」

小声で話しているうえに、素人である私に会話の内容は理解できませんが、どうも「???」という雰囲気が漂っています。救急外来に駆け込んだ時は「肝膿瘍」という病気ではないかと言われましたが、何か違うのか?

検査が終わり、ストレッチャーに乗せられてHCU病棟に戻りました。

心臓は狭心症? カテーテルを入れての検査を行うことに

それから心臓(循環器)の先生が来て、「狭心症の疑いがある」と言われました。肝臓だけではなくて心臓にも病気があるのか…。確かに昨日の採血では、心臓関係の数値も悪かったですし。

狭心症は、心臓の血管が細くなって血液の流れが悪くなる病気です(血液の流れが詰まるのが心筋梗塞らしい)。それを調べるため、冠動脈造影検査(CAG)というものを行いたいと説明されました。この検査は、太ももや手首の血管からカテーテルを入れて、心臓近くまで進ませます。それから造影剤を注入して画像診断を行います。

また、検査だけではなく、必要なら治療もできるそうです。カテーテルにはバルーンが取り付けられており、狭くなった血管があれば、その部分でバルーンを膨らませることで血管を押し広げます。それにより、スムーズな血流を取り戻す。これは冠動脈形成術(PCI)というらしいです。

検査は今日ではなく、数日後とのこと。説明書や同意書の紙を何枚も渡されました。

65時間ぶりの食事 病院食ってけっこう美味い!

お昼。体調が回復していたこともあり、食事の許可が出ました。昨日・一昨日と何も食べていません。さらにその前日の夕食以来ですから、65時間ぶりの食事です。こんな“断食”をしたのは、生まれて初めてかもしれません。

看護師さんが食事を運んできてくれたのですが、私は体調回復後、初めての食事ということで、「最初の一口だけは見守らないといけないんですよ」とのこと。なんか恥ずかしい。

あーん、ぱくっ、もぐもぐ

…美味いっす!

「病院食 = 味が薄くてマズい」という先入観がありましたが…すみません、偏見でした。けっこう美味しいです。エビや野菜が入った四角い卵焼きに、中華あんかけがかかったもの。ごはんが進みます。ブロッコリーとコーンの醤油ドレッシング和えも美味しい。これ、我が家でも作ってみようかな。こんな感じで、久々の食事はとても満足いくものとなりました。

ただ、身体中に管やらコードやらがついているので、とても食べにくい。私は右利きですが、右手はかなり使いにくかったので、左手で箸を握りました。かなり時間をかけての完食となりました。

さらにMRIを受ける

夕方になり、本日最後はMRIでの検査。受けたことがある人は知っていると思いますが、トンネルみたいな場所に身体を横たえて、音がクソうるさい検査です。

ところでみなさんは、MRIの「M」って何なのか知ってます? 私も今回初めて知ったのですが、マグネットのMだそうです。磁気を利用した検査機器なのです。

病室のテレビでは、地デジやBS放送だけではなく、病院の説明である「院内放送」も見ることができます。その中に「検査」というチャンネルがあり、MRIの説明映像もあったので暇つぶしに見たのですが、これがすごかった。

要するに、「MRIは磁気を利用するので、検査時は身体に金属を着けないでください」という話だったのですが、実験映像がありました。稼働中のMRI内部に金属ペン(?)を置いたところ、ものすごい勢いでブッ飛んでいって壁に突き刺さっていました。なるほど、だからMRIに金属(正確には磁性体)は御法度なのか…

→次の話 【A病院・入院3日目】副腎腫瘍と判明 そして一般病棟にお引っ越し