数万人に一人の病気 褐色細胞腫になったときの体験談

~通常なら数㎝の腫瘍は、なんと大人の頭サイズだった!~

【手術5日後】個室から大部屋に引っ越し 退院も間近…と思いきや?

前回までのあらすじ
褐色細胞腫の切除手術から4日が経過。痛み止めも打ち切られ、ガンガン自力歩行可能なレベルまで回復。ここまでは順調すぎるくらいだったが…

個室から大部屋へ移動

手術が終わってからICU ~ 一般病棟個室と移動してきましたが、手術5日後となる本日、大部屋にお引っ越しです。何の事前通告もなく、朝ごはん後に突然「これから大部屋に移動で~す」と看護師から告げられ、追い立てられるように個室を出ました(笑)

身の回りの荷物は持ってもらい、私は点滴スタンドをガラガラ引きながら、同じフロアの4人用大部屋に向かいます。窓際のベッドでした。

手術7日後に退院という目途だったが…

手術から5日も経つと、いつ退院するかが焦点になってきます。

褐色細胞腫の手術が終わってから退院するまでは、1週間かからないのが普通らしいです。ただし、褐色細胞腫の手術はダメージが少ない腹腔鏡で行うのが一般的なので、それくらいの日数で済むという事情があります。私の場合は、腹腔鏡ではなく開腹だったので当然回復は遅く、退院まで時間がかかります。

ちなみに、どれだけお腹を切ったかですが、合計40㎝ほどです。私の褐色細胞腫は直径18㎝もあったので、取り出すために、お腹の真ん中から逆L字形で、縦20㎝・横20㎝・合計40㎝ほど切りました(右の腹にあったので逆L字形)。

これだけ大きくお腹を切れば、回復まで相当時間がかかるのが普通ですが、「もうコンビニまで普通に歩けています」と先生に告げたら、「めちゃくちゃ回復早いですね」とビックリされました。

回復が早いのも考慮され、この時点では、手術7日後に退院という目途でした。

排液の数値がちょっと良くない ドレーン抜き&退院は延期

手術後は、いろいろな管が身体に差さっており、不要になったものからどんどん抜いていきます。

まだ手術の傷口にはドレーンが差されており、血の混ざった排液が出てきます。手術直後は真っ赤な排液がドバドバ出ていましたが、手術5日後ともなると血の色は薄くなり、量も少なくなってきました。

この排液ですが、看護師が一定時間ごとに回収していき、検査に回されます。手術部位に問題がないかどうかの判断材料というわけです。

手術5日後となるこの日は、この傷口のドレーンを抜く予定でしたが、延期を告げられました。

「排液を調べたら、ちょっと気になることがありまして…」

先生によると、排液の中に胆汁が多く混ざっているとのことです。私の褐色細胞腫は巨大だったため、肝臓と接触していました。そのため、褐色細胞腫を取り出す際に、肝臓を少し切らざるを得なかった(肝臓は再生する臓器なので切っても問題ないです)。その切られた肝臓から胆汁が出てきて、排液に混ざったのではないか…とのことでした。

「はっきり言って問題ないレベルだと思いますが、念のために一日様子を見ましょう」

ドレーンを外すのはいつでもできますが、挿れ直すことは簡単ではないので、ドレーン抜き延期は妥当な判断かと思います。

「最速なら、あさって(手術7日後)の退院という話でしたが、これだともう少し時間がかかるかと」

マジですか。残念。

「それから、肝臓の状態を確認したいので、造影剤CTを受けてもらえますか?」

深刻な感じではなく、これだけ大きな手術をしたのだから念のため…という雰囲気でした。検査の結果、肝臓の状態に何も問題ありませんでした。

手術後の状態変化を見るために畜尿を実施

手術5日後の本日、他にも検査をやりました。24時間分のオシッコを溜めて、その成分を分析する畜尿です。

これは手術前、すなわち褐色細胞腫がお腹にある状態で何度もやった検査です。今回は、手術で褐色細胞腫を切除したら数値がどう変わるか、つまりビフォーアフターを見るために行いました。

この畜尿の結果は、退院後の外来で知らされました。これまで異常すぎた数値が、見事なまでに正常化。やはり悪さをしていたのは褐色細胞腫だったことが確定しました。

→次の話 【手術6日後】すべての管が身体から抜けて快適に